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2009年02月03日(火) 21時22分

<グーグル>「ストリートビュー」ナンバーや表札丸見え毎日新聞

 日本では札幌、仙台、東京、横浜、京都、大阪など12都市を対象にストリートビュー(グーグル社運営)のサービスが提供されている。不動産業者が物件紹介に活用する動きが広まる一方、住宅や人の姿が映っているため、プライバシー保護の点から改善やサービスの中止などを求める声が相次いでいる。

 グ社によると、画像は公道から撮影し、被写体の地域・個人への告知はしていない。人の顔には自動的にぼかしを入れる技術を導入しているという。しかし、撮影位置が人の目線より高いうえ日本では公道に接した住宅が多いため、車のナンバーや表札が読めたり、民家の塀の内側まで見える画像もある。

 大阪府茨木市の中村信彦市議によると、インターネットの匿名掲示板に同和地区の家などを撮影したストリートビューの画像を張り付け、中傷する言葉が書き込まれたこともあった。中村市議は「いったんインターネット上に流れてしまった画像は、なかなか削除しきれない」と懸念する。

 自治体の間では規制を求める動きが広がり、東京都杉並区は昨年2度にわたりグ社にプライバシー配慮などを申し入れた。毎日新聞の調べでは、東京都町田市議会や大阪府茨木市議会など9地方議会が国などに規制を求める意見書を採択した。

 グ社は自社のサイトと電話で画像の削除要請を受け付けている。しかしパソコンなどを持たず、こうした情報が出回っていることすら知らない住民への対応としては不十分との指摘がある。杉並区は昨年11月、ストリートビューを知らない住民でも削除要請ができるよう、区の広報誌にグ社の電話番号を記載した。

 国会でも昨年11月の衆院総務委員会で、鳩山邦夫総務相が「塀の中が見えるというのはプライバシーの侵害に近い」と発言。同12月22日に政府の犯罪対策閣僚会議が決定した行動計画も「問題点がある場合は、対策について検討する」と言及しており、政府レベルで規制の動きが本格化する可能性もある。

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