2009年02月03日(火) 16時08分
「復権」掲げ3年半…幕 そごう創業の地 大丸と二枚看板 (産経新聞)
そごう再生のシンボルであり、ミナミ復権の大役を期待されたそごう心斎橋本店(大阪市中央区)。創業の地での再オープンからわずか3年5カ月後、世界経済の急速な悪化で悲願の再生劇は、親会社セブン&アイ・ホールディングスから大丸へと売りに出される幕切れとなった。
「なにわ遊覧百貨店」をキャッチフレーズにかかげた“新生”そごう心斎橋本店は、かつての創業の地に、平成17年9月に再オープン。ガラスを多用した高級感のある外観で大阪の目抜き通り、御堂筋に花を添えた。店舗面積は約4万平方メートル。劇場や多様な趣味の店などをそろえ、大人のエンターテインメントを打ち出した新しい百貨店として、中高年の女性買い物客を中心に、注目を集めた。
しかし、売り上げは思ったようには伸びず、苦戦を強いられた。その後、世界的な景気後退で百貨店の売れ行き不振は決定的となり、セブン側が不採算店の整理に乗り出すことになった。
再生のシンボルとして、同社従業員が心斎橋本店に抱く思いは熱かった。旧そごうの破綻(はたん)で一度は別の企業に就職しながらも、5年後の再オープン時に「もう一度そごうで働きたい」と再就職を志願した従業員も少なくない。それだけに、スタッフらのショックは大きい。ある関係者は「創業の地にある心斎橋本店は、そごうにとって精神的支柱であり、復活の象徴でもある店舗だった。それが売却されるというのは、今はまだ想像できない」と表情をくもらせた。
【関連記事】
・
「老舗にあぐら」「困る」そごう本店売却、寂しさと期待
・
そごう心斎橋本店、大丸に売却へ
・
百貨店不振、歯止めかからず 1月の売上高、軒並み前年割れ
・
出店・改装、生き残りへ厳選 J・フロントなど“集中投資”
・
丸井今井が民事再生法 消費不振で万策尽き
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090203-00000126-san-soci