2009年02月03日(火) 11時52分
そごう心斎橋本店 再生のシンボル売却に地元で驚きの声(産経新聞)
そごう再生のシンボルであり、ミナミ復権の大役を期待されたそごう心斎橋本店。創業の地での再オープンからわずか3年5カ月後、世界経済の急速な悪化で悲願の再生劇は、親会社セブン&アイ・ホールディングスから大丸へと売りに出される幕切れとなった。
「なにわ遊覧百貨店」をキャッチフレーズにかかげた“新生”そごう心斎橋本店は、かつての創業の地に、平成17年9月に再オープン。ガラスを多用した高級感のある外観で大阪の目抜き通り、御堂筋に花を添えた。店舗面積は約4万平方メートル。劇場や多様な趣味の店などをそろえ、大人のエンターテインメントを打ち出した新しい百貨店として、中高年の女性買い物客を中心に、注目を集めた。
しかし、売り上げは思ったようには伸びず、苦戦を強いられた。その後、世界的な景気後退で百貨店の売れ行き不振は決定的となり、セブン側が不採算店の整理に乗り出すことになった。
再生のシンボルとして、同社従業員が心斎橋本店に抱く思いは熱かった。旧そごうの破綻(はたん)で一度は別の企業に再就職しながらも、5年後の再オープン時に「もう一度そごうで働きたい」と再就職を志願した従業員も少なくない。それだけに、スタッフらのショックは大きい。ある関係者は「創業の地にある心斎橋本店は、そごうにとって精神的支柱であり、復活の象徴でもある店舗だった。それが売却されるというのは、今はまだ想像できない」と表情をくもらせた。
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