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2009年02月03日(火) 10時57分

そごう心斎橋本店、大丸に売却へ 業績不振でセブン&アイ産経新聞

 そごうと西武百貨店で構成するミレニアムリテイリングの親会社、セブン&アイホールディングスが、そごうの心斎橋本店(大阪市)を売却する方針を固めたことが3日明らかになった。大丸と松坂屋を傘下にもつJフロントリテイリングが買収する方向で交渉に入っており、早ければ月内にも合意する見通しだ。

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 売却額は数百億円規模で、夏ごろの売却完了を目指す。実現すれば、Jフロントリテイリングは隣接する大丸心斎橋店との合計で店舗面積7万7000平方メートルという巨大店舗が実現することになる。

 そごう心斎橋本店は店舗面積4万平方メートルの主力店だが、平成20年2月期の売上高は前期比8%減と低迷していた。同時にセブン&アイは、業績不振が続いている西武の札幌店(札幌市)と旭川店(北海道旭川市)について、閉鎖や業態転換を進める考えで、親会社主導で不振の百貨店業のリストラを進める。

 Jフロントリテイリングの奥田務社長は、以前から「今後は百貨店の店舗売買があり得る」との考えを示していた。セブン&アイとJフロントは今後、百貨店の運営で業務提携するなど、事業面で協力関係を構築する可能性もある。

 大手百貨店が2日にまとめた1月の売上速報では、地方に加え首都圏などの店舗でも、深刻な販売不振が続いている実態が浮き彫りになっている。昨年12月に前年比10%程度の減少という記録的な落ち込みをみせた百貨店の販売は、1月もほぼそのままの水準で推移。上向く気配は依然みえていない。

 このため、三越伊勢丹ホールディングスなど、店舗数の多い大手百貨店では店舗閉鎖を含めた再編が進められている。しかし、先月末には北海道の名門百貨店である丸井今井が経営破綻するなど、消費の低迷は想定を超えつつある。このままの厳しい推移が長引けば、店舗の閉鎖などにとどまらず、大手同士の統合といった業界再編に発展する可能性もある。

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