サントリーが三日発表した二〇〇八年十二月期連結決算は、初の黒字となったビール事業が貢献し、売上高が前期比1・2%増の一兆五千百二十九億円、純利益は33・2%増の三百二十億円と、ともに過去最高だった。
ビール事業は一九六三年の参入以来、赤字続きだったが、高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」や第三のビール「金麦」の販売が大幅に伸びた。同業他社が昨年前半にビール類を相次ぎ値上げした中、値上げ時期を昨年九月まで遅らせた価格戦略も奏功し、ビール類の年間シェアは12・4%と、サッポロビールを抜き初の三位になった。
大阪市内で記者会見した
主力の食品事業は「サントリー天然水」やコーラ飲料「ペプシネックス」が好調で、売上高は前期並みの八千三百十一億円。佐治社長は今後の清涼飲料の価格設定について「原材料費高騰で値上げしたいのはやまやまだが、今の経済情勢では難しい」と話した。
〇九年十二月期連結決算は、売上高が2・8%増の一兆五千五百五十億円、純利益は12・3%増の三百六十億円を見込んでいる。