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2009年02月03日(火) 19時51分

村上元代表、二審は刑猶予 インサイダー取引事件中国新聞

 ニッポン放送株のインサイダー取引事件で証券取引法(現金融商品取引法)違反罪に問われ、一審で懲役二年、罰金三百万円、追徴金約十一億四千九百万円の実刑とされた村上ファンド(解散)元代表村上世彰むらかみ・よしあき被告(49)の控訴審判決公判が三日、東京高裁(門野博かどの・ひろし裁判長)で開かれた。門野裁判長は一審判決を破棄、懲役二年、執行猶予三年、罰金三百万円、追徴金約十一億四千九百万円の有罪判決をあらためて言い渡した。

 村上被告は無罪を主張。二〇〇四年十一月時点で、ライブドア(LD)側がニッポン放送株の大量取得を決定し、村上被告にその情報を伝達したかどうかが控訴審でも最大の争点となった。

 検察側は一審同様に「村上被告がLD側に株大量取得を働き掛け、インサイダー情報を入手。資金調達の見込みも説明された」と主張。

 弁護側は「当時のLDには資金調達のめどはつかず、大量取得の実現可能性はなかった。投資判断に影響を及ぼす決定はなされておらず、情報伝達もない」と反論。宮内亮治みやうち・りょうじ元LD取締役(41)=粉飾決算事件で実刑確定=から「資金調達のめどは立っていなかった」と、一審とは逆の証言を引き出した。

 一審東京地裁判決は、村上被告が〇四年十一月の会議で、当時のLD社長堀江貴文ほりえ・たかふみ被告(36)=同事件で一、二審実刑、上告=らからニッポン放送株の大量取得方針を聞き、約百九十三万株を購入、高値で売り抜けたと認定。「村上被告は不公正な方法で一般投資家を欺き、巨額の利益を得て、市場の信頼を損なった」と批判していた。

 一緒に起訴された投資顧問会社、MACアセットマネジメントの一審判決は罰金三億円。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902030309.html