2009年02月03日(火) 13時21分
日銀が銀行保有株買い取りを再開、2010年4月末まで総額1兆円(ロイター)
[東京 3日 ロイター] 日銀は3日、金融機関保有株式の買い入れを再開すると発表した。株価下落により、金融機関の株式保有リスクが高まっていることから、年度末を控えたこの時期に買い入れを再開することで、金融システムの安定確保に向け全力を挙げる。
月内の実施を目指す。
3日開催の政策委員会・通常会合で決定した。
買入総額は1兆円。買入期間は2010年4月末までとし、2012年3月末まで市場売却しない。対象株式は発行企業の格付けがBBB─(トリプルBマイナス)格相当以上で、取引所における売買成立日数が年間200日以上あり、かつ売買累積額が年間200億円以上のものに限定する。
対象金融機関は日銀当座預金取引先銀行のうち、1)株式等保有額が自己資本(Tier1)の5割を超える先、もしくは株式等保有額が5000億円を超える先、2)自己資本比率規制上、国際統一基準を採用している先──のいずれか。金融機関ごとの買入上限は2500億円。
日銀はこれまで、銀行の株式保有リスクの削減という観点から、関与し得る手立てがあるかどうかについて慎重に検討してきたが、「国際金融資本市場における緊張の持続が、株価の下落や信用コストの高まり等を通じて、資金仲介機能と金融機関経営の両面に大きな影響を及ぼしている」と判断、買い入れ再開に踏み切った。
ただ、実際に利用されるかどうかは不透明だ。亀崎英敏審議委員は昨年12月25日の会見で「現時点での金融機関の株式保有スタンスをうかがうと、日銀による株式買い入れ再開を利用して、保有株式を売却したいとの具体的なニーズはあまり聞かれていない」と発言している。
(ロイターニュース 志田義寧記者 中川泉記者)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090203-00000558-reu-bus_all