記事登録
2009年02月03日(火) 14時06分

<フジチク>関連食肉組合、再生法の適用申請 負債75億円毎日新聞

 民間信用調査会社・帝国データバンク名古屋支店によると、名古屋市の食肉卸「フジチク」グループの関連団体「愛知食肉卸売市場協同組合」(名古屋市、従業員18人)が1月30日、名古屋地裁に民事再生法の適用を申請した。同組合は04年に発覚した国のBSE(牛海綿状脳症)対策事業をめぐる牛肉偽装事件の舞台となった。負債総額は約75億円とみられる。

 組合はフジチクグループが中心となって78年に設立。食肉の集荷・販売など市場業務を手掛けたが、01年に名古屋市が出資する「名古屋食肉市場」に営業権を約59億円で売却した。その後は冷蔵倉庫業と不動産賃貸業のみを行い、年商数億円で推移していた。

 しかし04年、農水省が実施したBSE対策の国産牛肉買い上げ事業(01年度)に絡む助成金約20億円不正取得が発覚。組合が偽装牛肉の保管場所となったほか、偽の在庫証明を発行したことなどで信用が低下した。07年度の年商は約1億9000万円と低迷し、市場建設費の借入金返済も負担となって資金繰りが悪化していた。

 偽装事件では、フジチクグループの会長らが補助金適正化法違反容疑などで逮捕され、会長は1審で懲役8年、罰金3億円の実刑判決を受けている。控訴が棄却され、上告中。

 また、同組合は設立当初の78〜79年、国の貸付制度を利用して愛知県と通産省(当時)の外郭団体から24億円の融資を受けたが、返済期限の91年までに完済していない。同県商業流通課によると、半分以上が未返済という。【月足寛樹、丸山進、中井正裕】

【関連ニュース】
三貴:「ジュエリーマキ」展開 民事再生法の適用申請
企業倒産:11%増1万5646件…5年ぶり高水準
シントミゴルフ:経営不振で事業停止、債務超過状態
東新住建:再生法申請 負債総額は431億円
倒産:東海3県で1061件 2年連続増 民間信用調査

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090203-00000058-mai-bus_all