2009年02月03日(火) 09時13分
リアルタイム顧客調査の効用(TechTarget)
企業が自社や商品、サービスに顧客が満足しているかどうかを判断する最良の方法は、顧客に尋ねることだ。顧客調査は、すべての企業が優先課題としなければならない。顧客が企業やその商品/サービスなどに今後もロイヤルティーを持ち、それらをほかの人に勧め続けるかどうかを示す重要な指標になるからだ。
●活用されない顧客満足度調査は有害無益
経営陣やマネジャーと話すと、彼らのほとんどは顧客満足度調査の重要性に同意する。ただし、多くの人は歯切れが悪い。統計的に正確で、役に立つ実用的なデータを収集するのは大変だと考えているからだ。それはもっともだ。企業が顧客調査を行ったものの、得られたデータが使い物にならず、調査結果をまったく生かさなければ、調査を行わなかった場合より悪い影響を顧客に与えてしまう。企業が顧客に意見を求めると、「集まった意見は大事にされ、企業は適切な対応を取る」という期待を持たれる。顧客調査を行った後に何も行動を起こさなかった場合、その企業は、顧客の意見は重要ではないと暗に言っていることになる。当然ながら、それは好ましいメッセージではない。
●顧客対応に威力を発揮するリアルタイム調査ツール
リアルタイムの対応を可能にする調査ツールは、企業にとって強力な武器になる。こうしたツールにより、企業は顧客が提起した問題を直ちに把握して対処できる(問題は、少数の顧客に影響する小さなミスから、数百人の顧客を悩ませる厄介なポリシーや、数千人の顧客に悪影響を与える商品の出荷や品質の問題まで、多岐にわたるという点だ)。また、リアルタイム調査により、企業は多数の顧客に悪影響を与える問題を未然に解決できる。これらにより、同じ問題に関連する電話の集中を防ぐことで、顧客体験が向上し、業務コストが削減される。
●調査ツールの進化で調査プロセスが容易に
調査ツールはこの10年で飛躍的に進化してきた。Webベースの技術のおかげで、調査が作成、実施しやすくなっている。調査ツールを探している企業は、極めて幅広い価格帯の多数の優れた選択肢から選ぶことができる。IVR(自動音声応答)ベースの調査ツールも改良が進んでいる。このツールは大幅に使いやすくなり、数年前より格段に質の高い結果が得られるようになっている。IVRベース調査システムの効果の向上に大きく貢献したのが、音声認識技術だ。この技術によるインタフェースは多くの顧客にとって快適だからだ。さらに、企業は調査ツールを購入するか、ホスティング会社から提供される調査ツールの機能を月額料金制で利用するかを選択できる。
新しいリアルタイム調査アプリケーションは、現状の早急な改善に利用できる実用的な情報を企業に提供する。こうしたアプリケーションでは、これまでのツールと同様に、調査に関する以下のような機能が用意されている。
・さまざまなチャネル(郵便、IVR、電話、電子メールなど)による調査を作成、実施する機能
・回答を収集、分析するツール
・リポーティング
リアルタイム調査ツールの強みは、従来世代の調査ツールよりはるかに迅速に、統計的に正確な結果を提供するように設計されていることにある。
●リアルタイム調査ツールの効果
リアルタイム調査ツールを適切に活用すれば、顧客満足度の向上や、売り上げの拡大、顧客流出の抑制、営業コストの削減、顧客対応担当者の職務満足度と定着率の向上につながる。こうした効果が得られるのは、リアルタイム調査ツールの以下の機能のおかげだ。
1. リアルタイムアラートが利用できる
2. 怒りや不満を感じている顧客がいたら、リアルタイムで管理職に知らせる
3. 利益をもたらす顧客や価値の高い顧客が問題を抱えていたら、リアルタイムアラートによって管理職に知らせる
4. リスキーな状況(顧客が不満を感じている、担当者の顧客対応が悪い、プロセスやシステムに障害が発生しているなど)をリアルタイムに発見する
5. スタッフ配置や業務手続き、サービスの早急な変更を促す
6. 顧客を失望させるプロセスを特定するため、顧客満足度と品質保証度の相関を明らかにする
7. 顧客のフィードバックをリアルタイムに伝える
8. コールセンターの担当者に対する研修の必要性をほぼリアルタイムに発見する
9. コールセンターの担当者やチームの優れたパフォーマンスに対してほぼリアルタイムにフィードバックを行う
10. 全社、部門、個人の目標の進ちょく状況をほぼリアルタイムに測定する
すべての企業は顧客調査を行い、発見された問題に対処し、その経緯と効果を顧客に伝えるとともに、経営上層部を含む社内に周知しなければならない。調査を行うことは常に有益だ。調査は、顧客が企業のパフォーマンスについてどう考えているかを見極める唯一の方法だからだ。企業は従来の調査プロセスおよびツールを通じて優れた成果を上げることができるが、リアルタイム調査では、その過程をさらに推し進めることができる。顧客に影響を与える問題にほとんどすぐに対応できるからだ。企業は実用的な重要情報をできるだけ早く入手し、調査の効果を高めることができるのだ。
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