重い障害のある人や母子家庭などの医療費の個人負担分を、条件付きで山口県と市町が全額負担する福祉医療費助成制度を縮小する県の方針に、反対の声が強まっている。市町や患者団体、医師会などが相次いで現状維持を要望。県側は「制度そのものを維持するために見直しは必要」と理解を求めるが、溝は埋まらない。
県は、診療報酬明細書(レセプト)一通あたり、通院で月額上限1000円、入院で同2000円の本人負担▽受給者がいったん医療機関窓口で料金を支払い、市町の窓口で払い戻しを受ける償還払い方式—の新年度導入を目指している。
1月26日に県が開いた全20市町への説明会。「受給者に実際に応対するのは市町。説明できない」「電算システム改修に費用がかかる」など、償還払い方式に難色を示す意見が目立った。ある市の担当者は「払い戻しの事務負担も大きい。つけを払わされるのは結局、市町だ」と憤りを隠さない。