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2009年02月02日(月) 10時22分

サイバー犯罪復旧費90兆円=08年全世界、景気悪化でリスク拡大時事通信

 【シリコンバレー1日時事】ウイルス対策ソフト大手の米マカフィーはこのほど、企業の機密情報詐取などサイバー犯罪の復旧費用が昨年、世界で1兆ドル(約90兆円)に上ったとする調査結果を発表した。犯罪が一段と組織化、巧妙化し、企業データにとどまらず、経営者個人の電子メールなどを狙い撃ちする傾向が目立つと警告している。
 米英や日本、中国、インドなどで最高情報責任者(CIO)を置く8カ国の計800の有力企業から回答を得た。その結果、昨年は調査対象だけで総額46億ドル(4100億円)相当の知的財産が各国で盗まれるなどし、復旧に計6億ドル(約540億円)が投じられた。世界全体の復旧費支出総額は「低く見積もっても1兆ドルを超える」(デウォルト最高経営責任者)という。
 また、回答者の多くが、世界的な景気後退で企業の情報管理がより大きな危機にさらされていると認識。解雇された社員によるデータへの不正アクセス、持ち出しなどを「最大の脅威」とする比率は4割強に達し、大量リストラに伴う人的リスクが今後増大する可能性に言及した。 

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