2009年02月02日(月) 02時43分
ソマリア沖派遣 防衛省が自衛隊・陸海空の統合運用検討 (産経新聞)
アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、防衛省が陸海空3自衛隊の統合運用を検討していることが1日、分かった。中東カタールの米軍司令部に空自連絡官を置く方針を固め、P3C哨戒機部隊が派遣されれば、空自のC130輸送機で日本から物資を定期的に運ぶ。海自の拠点となるジブチでは、陸自による基地警備が可能か検討を始めた。実現すれば、国際平和協力活動で初の統合運用になる。
政府は先月28日、ソマリア沖の海賊対策で自衛隊法に基づく海上警備行動を発令する方針を決定。海上警備行動は3月上旬にも発令予定で、これを受け、海自は護衛艦2隻を派遣し、ジブチに活動拠点を置く。海自は上空からの海賊船の警戒監視に向け、P3Cの派遣も検討している。
海自派遣に伴い、防衛省は、米軍がカタールに置く合同航空作戦センター(CAOC)に空自要員を連絡官として送る。CAOCは米中央軍が管轄する中東やソマリアを含むアフリカ北西部での航空作戦を一元的に指揮する司令部。イラクやアフガニスタンに駐留する英軍や豪軍も要員を派遣している。
ソマリア沖周辺では、海賊対策やテロリストの動向を監視するため、米軍や仏軍などの哨戒機が飛行している。CAOCはそれらの飛行状況を集約しており、空自要員は情報収集や調整にあたる。
空自は昨年12月まで10人の要員をCAOCに常駐させていたが、イラクでの輸送任務終了に合わせ、引き揚げさせた。CAOCに復帰することで、イラクやアフガン情勢を把握できるメリットも大きく、派遣時期や要員の規模を詰める。
海自がP3Cの派遣に踏み切れば、空自は輸送任務も担う。モデルケースになるのは中東ゴラン高原の国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)派遣だ。
空自は、平成8年からUNDOFの後方支援を行っている陸自要員に半年に1度の割合で物資を送っており、同様の輸送を行う。C130が日本とジブチを往復する際、給油のための複数の中継地点が必要で、近く候補地の選定に入る。
陸自も海賊対策に加わることに前向きだ。海自のP3C部隊の拠点には、ジブチの国際空港に近い米軍基地や仏軍基地などが想定される。陸自は駐機場などの警備で要員を派遣できるか検討に着手したが、陸自による警備の必要性については、防衛省内局に慎重な意見もあるという。
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