日本相撲協会は二日午前、東京・両国国技館で理事会を開き、大麻取締法違反容疑により逮捕された十両力士、若麒麟容疑者(25)=本名鈴川真一、兵庫県出身、尾車部屋=の処分を話し合う。
昨年、ロシア人力士による大麻問題に揺れた角界にとって信頼回復を目指していた中での不祥事。一月三十一日には相撲協会の武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)が「厳しい態度で最終判断を下したい」との方針を示し、協会幹部も「(処分は)厳しくできるなら厳しくしたい」と話した。ある理事が一日に「相撲協会が一丸となって再発防止に向かっていこうとしている時だけに、重く受け止めるべきだ。除名という意見も出るだろう」と述べるなど、若麒麟容疑者には解雇かさらに重い除名処分が科される見通し。除名は役員、評議員らの特別決議が必要となる。
現行の規定では、解雇された場合には要求すれば退職金が支給されるが、除名処分を受けた者には支給されない。
また若麒麟の師匠である尾車親方(元大関琴風)は、委員から平年寄への2階級降格処分が濃厚となっている。
一月三十日に逮捕された若麒麟容疑者は三十一日、弁護士を通じて引退を希望し、その日に尾車親方が相撲協会に同容疑者の引退届を出した。だが、武蔵川理事長は、引退届を受理してしまうと協会独自の処分を与えられないために、引退届を保留。二日の理事会に諮ることにした。