広島県は1日、神石高原町の県立神石三和病院で、ノロウイルス(小型球形ウイルス)の集団感染が発生したと発表した。入院患者ら16人が下痢や嘔吐(おうと)の症状を訴え、うち90歳代の女性1人が死亡した。同県内で、ノロウイルスの集団感染が死亡に関与した可能性があるのは今年になってこれで3人。県は近く医療機関に衛生管理の徹底を通知する。
県によると1月23—31日、60—90歳代の入院患者8人と、職員8人が相次いで症状を訴えた。27日に寝たきりの状態だった90歳代の女性が下痢の症状を示し、その後死亡。死亡した女性を含む3人の便からノロウイルスを検出し、県は集団感染と断定した。他の患者は軽症という。
ノロウイルスの集団感染があった施設では1月9日に東広島市の特別養護老人ホームで1人、30日に廿日市市の病院で1人がそれぞれ亡くなり、県は感染が原因となった可能性は否定できないとしている。同様の死者は県内で2006年度は4人だったが、07年度はゼロだった。