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2009年02月02日(月) 00時00分

削減義務化を政策提言 温暖化対策で米大企業中国新聞

 自動車のゼネラル・モーターズやフォード、化学メーカーのデュポン、電機・金融のゼネラル・エレクトリックといった米国の大企業などでつくる団体が一日までに、温室効果ガス排出削減の義務付けや、排出量に上限を課す排出量取引の導入を議会などに求める政策提言をまとめた。

 深刻な経済危機の中、主要大企業が強力な地球温暖化対策を支持する姿勢を示したことは、オバマ政権の施策や議会の法案審議に大きな影響を与えそうだ。

 米国の排出量を二〇三〇年に〇五年レベルから42%、五〇年には80%削減することを目指し、石炭火力発電所の規制強化なども含む包括的内容。

 提言をまとめたのは、二十六の企業と五つの環境保護団体でつくる「米国気候行動パートナーシップ(USCAP)」。

 「削減義務を伴う排出量取引は、排出削減目標達成のための中心的要素だ」として、多くの企業を対象とする排出量取引制度の早期導入を議会に要求。欧州などの既存の制度と連結した国際的な炭素市場をつくることに、米国政府が貢献することも求めた。

 年末の合意を目指し交渉が進んでいる一三年以降の国際的な温暖化対策の枠組みについては「大幅な削減を目指した法的拘束力のあるものとするべきだ」と指摘。発展途上国の支援策の明文化などを含め、前向きな取り組みを政府に勧告した。

 二酸化炭素(CO2)の排出量が多い石炭火力発電所については、CO2を回収して地下に処分する技術開発を促進。一五年以降にこの技術の採用を義務付け、厳しい排出規制を導入するよう提言した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902020092.html