広島県内の中学生の体力低下が目立つ。国が1月に公表した初の「全国体力テスト」の結果では、8種目の数値を得点化した「体力合計点」が、男女とも全国47都道府県で30位と低迷した。背景には運動量の減少など生活習慣の変化がある。
中学生の体力低下は全国共通の問題だ。体力テストは昨年4—7月、小5と中2を対象に実施された。1985年度の結果と比べると、児童・生徒の半数以上が当時の平均値を下回った。
体力テストの結果に県も危機感を募らせる。80点満点の体力合計点は、都道府県間で約6—10点の差が出た。県内の小学生は男女とも全国平均を上回った。しかし、中学生は男子は41.14で、全国平均を0.36点下回った。女子も47.81で、0.57点届かなかった。
体力テストでは、個々の運動時間や食習慣も調査。1日2時間以上運動をしたり、朝食を良好に摂取したりするほど、体力合計点は高くなる—との傾向がみられた。
広島県の場合、「体育の授業を除き、1日の運動時間が2時間以上」と答えた生徒は、全国平均より男子で21.4ポイント、女子で18.1ポイント低かった。県教委、広島市教委とも現在、生徒の生活実態の分析を急いでいる。