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2009年02月02日(月) 00時00分

議員歳費削減案が浮上 背景に不況、消費増税中国新聞

 与党内で国会議員定数や歳費の削減案が急浮上している。不況下で「政治家だけがぬくぬくしている」との批判を回避する思惑に加え、麻生太郎首相が消費税率引き上げ方針を打ち出したのを受け「政治家が自ら身を切る姿勢を見せなければ理解を得られない」との危機感があるようだ。

 自民党は近く党改革実行本部で具体案をまとめ、野党にも呼び掛け議員立法で実現を図る方向で検討する。次期衆院選を控え定数削減は難しいことから、歳費の三割カット案などが取りざたされている。

 歳費削減論の発端は一月十九日、首相が自民党に検討を指示したこと。公明党の太田昭宏代表も二十四日の党会合で与野党協議を始めるよう提案した。「口先だけ」との見方を打ち消せるか、覚悟が問われそうだ。

 議員歳費は現在、議長と副議長を除き月約百三十万円、年二回の期末手当を合わせ年間約二千二百万円に上る。

 三割削減案は自民党の古賀誠選対委員長が提唱。公明党幹部も「いまさら一、二割というわけにはいかない」と同調している。「首相が『日本経済は全治三年』と言っているのだから三年間、二割程度カットすればいい」(自民党幹部)との声もある。

 自民党の若手でつくる「税金の無駄遣いを一円たりとも許さない若手の会」は二月中に三割削減を求める提言を執行部に突き付ける考えだ。

 議員定数削減は「既に候補が固まっている小選挙区の削減は現実的に無理。比例代表の削減には公明党などが反対する」(自民党幹部)と現実性に乏しいとの見方が強い。国会議員の一割削減を掲げる民主党に対抗して、自公両党ともマニフェスト(政権公約)に削減を盛り込む程度で終わりそうだ。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902020094.html