2009年02月02日(月) 11時45分
メーカー支援のため、100億円規模の開発費負担を発表──NTTドコモ 山田社長(+D Mobile)
NTTドコモは1月30日、2009年3月期第3四半期の決算を発表した。第1四半期から第3四半期までの累計売上高は3兆3788億円となり、前年同期比で−4.1パーセントの減収。一方同期間の営業利益は7468億円で、前年同期比で19.5%増えた。代表取締役社長の山田隆持氏は「おおむね順調な決算」と話した。
減収増益のもっとも大きな要因は端末販売台数の減少だ。3四半期での端末総販売台数は1478万台にとどまっており、前年同時と比べて454万台、約23.5%少ない。2008年3月期は3四半期で1932万台を販売しており、2009年3月期も期初には2470万台の販売を予想していた。
「現時点の予測では、最終的に3月末の段階で2000万台前後になると思う。3月は2カ月分くらいの販売台数になる大きな商戦期だが、景気動向など、場合によっては2000万台を下回る可能性もあると考えている」(山田氏)
こうした状況は、ドコモとしても危機感を持っているという。ドコモ単体で見ると、新たな販売モデル(バリューコース)で契約するユーザーが増えているため、販売奨励金が減っており、端末販売収入が1043億円増加。さらに端末調達費用が2493億円減少、代理店手数料も773億円減るなど、端末販売費用が大きく減少しており、営業利益が押し上げられている。端末の在庫は6月末の時点で380万台だったのが、9月末もそれほど増えておらず、12月末の時点では約320万台。調達数を絞ることで在庫は適切に管理できているという。しかし、端末メーカーや販売代理店はこの影響で売り上げが下がり、経営が厳しくなるところも出てきている。
ドコモは、ユーザーに適切な価格でタイムリーに魅力的な端末を提供するためには、端末メーカーの協力が不可欠だと考えており、端末開発費の一部をドコモが負担し、その知的財産権をドコモで持つスキームを、今期限定で運用する考えを示した。今年度はおおむね100億円規模の開発費をドコモ側で負担する。
「ドコモのサービスに対応してもらうために、端末メーカーにお願いするソフトウェアの開発費用をドコモが資産として買い取るイメージになる。知的財産はドコモが確保するので、将来的にはオペレーターパックなどに組み込みやすくなるのという側面もあると考えている」(山田氏)
この開発費の援助は、国内・国外のメーカーを問わず行う方針だ。これによって、端末の調達費が安くなるため、ユーザーに販売する端末の価格も安くなる見通し。端末価格が安くなることで、販売数も若干増えることに期待を見せた。ただ、来年度も継続して行うのか、との質問に対して山田氏は「あくまでも今年度内での取り組み。来年度は状況を見て検討する」と答えた。
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