2009年02月02日(月) 20時41分
「政府紙幣」導入論が浮上=副作用指摘する声も−政府・与党(時事通信)
政府が日銀に代わって紙幣を発行する「政府紙幣」の導入論が浮上してきた。政府紙幣を発行すれば財源を気にせず景気対策が実行できるため、推進派は「先進国で最初の不況脱却を掲げる麻生政権の切り札になる」と主張。一方で、通貨価値の下落を通じ、物価が上昇するインフレや円安を招く「副作用」を指摘する声もある。麻生太郎首相は2日夜、「今のところそういう段階ではない」と語り、導入に消極的な見解を示した。
政府紙幣は日銀が発行する通常の紙幣と違い、政府自身が発行する「第二の紙幣」で、社会保障や失業対策に充てる案が浮上している。元財務官僚の高橋洋一東洋大教授が25兆円規模の発行を提唱、自民党の菅義偉選対副委員長が1日のテレビ番組で「非常に興味がある」と発言したことから導入論議が盛り上がりつつある。
政府の判断で機動的に発行できる半面、際限なく発行すれば円の価値が目減りする危険性もある。高橋教授は「劇薬」と断った上で「100年に一度の経済危機には異例の対応が必要。物価上昇率が一定水準に達した時点で発行を止めれば問題ない」と主張、世界的に強まるデフレ懸念の払しょくにも効果があると説明する。
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