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2009年02月02日(月) 11時46分

浅間山が小規模噴火、各地で降灰スポーツ報知

噴煙を上げる浅間山の火口(共同)

 気象庁は2日、浅間山(群馬、長野県、2、568メートル)の山頂火口が同日午前1時51分に小規模噴火したと発表した。同庁は、今後も火口から半径約4キロの範囲で噴火による大きな噴石飛散の可能性があるとして警戒を呼び掛けた。

 同庁によると、火口上空には噴煙が上がり最大約2000メートルまで到達、明け方以降は約100メートルで推移。噴煙は南東に流れ、長野県軽井沢町や群馬県富岡市のほか埼玉県熊谷市、東京都千代田区、横浜市、千葉県君津市など関東南部の各地でも降灰を確認した。

 噴火以降、火口直下が震源とみられる火山性地震は減り、マグマの上昇を示すとみられる地殻変動も鈍化したことから同庁は、活動は小康状態になったとみている。

 浅間山の噴火は、昨年8月のごく小規模のもの以来。2004年9月と11月には中規模噴火が相次ぎ、降灰で周辺の農作物などに被害が出た。

 同庁の観測では、50センチを超える大きな噴石が火口の北約1キロまで飛んだ。軽井沢測候所では約7パスカル(パスカルは圧力の単位)の爆発に伴う空気振動「空振」を観測した。04年の中規模噴火では、205・5パスカルを観測した。

 浅間山について、気象庁は1日、噴火が切迫しているとして、警戒レベルを「レベル2(火口周辺規制)」から「3(入山規制)」に引き上げていた。

 長野県軽井沢町では最大約2ミリの降灰が確認された。長野県によると、県内で被害の届けはなく、軽井沢町役場などによると、浅間山の登山道などが立ち入り禁止になっているが、休校した学校もないという。

 ◆浅間山 群馬、長野県にかかる標高2、568メートルの活火山。爆発型(ブルカノ式)噴火が特徴の安山岩質の成層火山で、火砕流も発生しやすい。有史以降の噴火はすべて山頂噴火で、山頂火口からは常時、噴気が出ている。気象庁が地震計、傾斜計、衛星利用測位システム(GPS)、遠望カメラなどで監視活動を続けている。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090202-OHT1T00149.htm