愛知県一色町の主催で1月25日に開催された「一色マラソン大会」で、ハーフマラソンコース(21・0975キロ)が計測ミスにより、約720メートル短かったことが1日、分かった。マラソン終了後、参加者から「いつもより記録がいいが、距離が短いのでは?」などの指摘が大会事務局に相次ぎ、計測し直して発覚した。大会事務局はこの日までに、完走者全員に「自己ベスト更新を喜ばれている皆様には本当に申し訳ない」との謝罪文を発送した。
大会事務局によると、第44回の今大会に参加した2000人以上のうち、ハーフマラソンの部に挑んだのは764人の男女。北は札幌市から、南は福岡県大牟田市まで、全国のランナーが町内のコースを快走した。
ところがゴール後、参加者から大会事務局に「いつもより記録が短縮したが距離は大丈夫か」という指摘が相次いだ。第43回までの大会記録は1時間9分47秒だったが、今回はハーフマラソンの「39歳以下男子」部門で、1位が1時間6分34秒、2位も1時間7分56秒。2人が大会新をたたき出した。
大会翌日の26日には、事務局にメールで「記録がよかったが、距離が短いのでは?」という問い合わせがあった。事務局内でも疑いの声が上がり、27日にコースを再計測。すると720メートルも短いことが発覚したという。
今大会はコースの一部に堤防工事が入ることが、昨年4月に判明していた。そのため、従来使用してきたコースを変更しなければならず、昨年6〜7月、スタッフが今大会のためのコース計測を行ったという。計測者は地面をコロコロとはわせる計測器を手に、徐行する車の助手席に乗り、窓から腕を出して計測。同時に車のメーターでも計測を行った。
担当職員は「参加者への案内や警察への届け出が迫っており、徒歩計測を省いてしまった」と説明。また、事務局によれば、測った距離を足していく過程での「計算ミスもあったかもしれない」という。
事務局は30日付で、会長の都築譲町長名で、完走した761人に「ハーフマラソンコースの距離について(おわび)」という謝罪文を発送。「自己ベスト更新を喜ばれている多くの皆様には、本当に申し訳ありませんでした」と記された。
記録は今大会限定のものとして残すため、男性2人の記録は幻の大会新に。来年開催時にはコース内の別の場所で堤防工事があるため、事務局では「来年は本当に注意して測らないと」と気を引き締めていた。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090202-OHT1T00111.htm