埼玉・鴻巣市の公園で1日午前2時頃、同県吉見町に住む男子高校生(17)が滑り台の手すりで首をつって死亡しているのが発見された。高校生は1月29日の夜に、父親(46)から「性格が消極的すぎる」としかられ「俺なんて生まれてこなければよかった」と言い残して家出していた。県警鴻巣署は自殺とみている。
ふだんは子供たちの無邪気な声が行き交う公園で、男子高校生の遺体は発見された。
鴻巣署によると、同市内のJR北鴻巣駅前にある赤見台近隣公園で1日午前2時ごろ、上下黒のスエット姿の生徒が滑り台(高さ2・5メートル)の最上部の手すり部分にショルダーバッグの着脱式ベルトをかけて首をつって死亡しているのを、帰宅途中だった大学生の男性が発見し、110番した。遺書などは見つかっていないが、同署は自殺とみている。
生徒は、発見3日前の1月29日夜、家族で会話している途中、父親から「性格が消極的すぎる。積極性を身につけろ」としかられた。口論になった末に殴られると「俺なんか生まれてこなければよかった」と言い残し、自転車に乗って家を飛び出した。家族は翌30日午前、警察に捜索願を出していた。吉見町と鴻巣市は隣接しており、生徒は自転車で移動した末に同公園にたどり着いたとみられる。
県立高校2年生だった生徒は、両親、兄、妹、祖母の家族6人で暮らしていた。捜査関係者によると、性格はまじめで温和だったが、内向的な一面を持っていたという。
滑り台の手すりを使った自殺は、1992年に群馬県嬬恋村で、97年に福井県今立町(当時)でも起きている。いずれも中学1年生だった。
生徒が通っていた高校の校長は「おとなしくて目立たない生徒。家出の当日まで普通に登校していた。いじめはなかった」と話している。
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