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2009年02月01日(日) 03時07分

パナソニック赤字3500億円、工場統廃合の損失上積み読売新聞

 パナソニックが2009年3月期連結決算で、税引き後利益が3500億円規模の赤字となることが31日、明らかになった。

 税引き後赤字は6期ぶりで、02年3月期(約4300億円)に次ぐ大きさ。電機大手は日立製作所が7000億円、東芝が2800億円、ソニーが1500億円など軒並み赤字決算となる見通しで、世界的な不況による輸出不振が電機業界を直撃している。

 パナソニックは、世界的な不況や円高の影響で、米国市場を中心に世界的にデジタル家電などの販売が落ち込んだ。

 本業のもうけを示す営業利益は、黒字を確保する見通し。税引き後赤字になるのは、余剰となった国内外の工場を前倒しで統廃合するなどし、構造改革のための損失計上を大幅に上積みするためだ。また、株式市況の低迷で、保有株式の評価損も計上する。

 パナソニックは、08年4月には税引き後利益を3100億円と予想していた。その後、世界的な不況が深刻化した影響で、11月には10分の1となる300億円に業績予想を下方修正し、さらに赤字になる見込みとなった。

 パナソニックは、海外と国内に家電製品や電子部品などを生産する約270の製造拠点を持ち、全世界で約31万人、国内で約13万人の社員を抱えている。

 工場など製造拠点の統廃合により、国内外の人員削減など雇用への影響も避けられないとみられる。

 また、シャープも税引き後利益が数百億円〜1000億円規模の赤字となる見通しだ。世界的な景気後退で、主力の液晶テレビや携帯電話機の売り上げが落ち込んでいる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090201-00000006-yom-bus_all