2009年02月01日(日) 03時03分
南方で捕虜死亡の日本兵6千人リスト、埋葬地など記載(読売新聞)
太平洋戦争で捕虜となった後に死亡した日本兵ら約6000人の氏名、埋葬場所などを記したリストが米国立公文書館で確認された。
NPO法人「戦没者を慰霊し平和を守る会」(佐賀県)の依頼を受けた調査会社が見つけた。
埋葬場所は米ハワイやインドネシア、フィリピン、インド、沖縄など広範囲にわたり、遺骨の特定が進んでいなかった南方の戦域での遺骨発見や人物の特定につながる貴重な資料となりそうだ。
発見されたのは、米国の戦争捕虜に関する情報機関が1952年3月に作成した「日本兵捕虜死亡者リスト」。計約400ページで、日本の軍人、軍属について、一部重複の可能性があるが、5979人のローマ字表記の氏名、所属階級、捕虜番号、死亡日、死因、埋葬場所の墓地名が記されている。
同会は戦没者の遺骨・遺品収集と遺族への返還をボランティアで行っており、昨年7月、フィリピン・レイテ島のパロ地区の住民から「米軍が日本兵を埋葬した」という目撃情報を得たため、米軍資料の調査などを手がける「ニチマイ」(東京都)に依頼。同社が昨年8〜11月、米国立公文書館でレイテ島の戦闘報告書など数万枚を調べ、リストを発見した。パロについては、墓地の位置を示す地図も見つかった。
同会は今後、リストに掲載された氏名などを会のホームページに掲載して情報を募るとともに、地図が見つかったパロには4月にも訪れ、遺骨の発見を目指す。
厚生労働省は来年度から、日本兵の埋葬場所などを特定できる資料があるかどうか、戦勝国の軍事資料調査に乗り出す。同省は「これまで捕虜の埋葬場所を記した資料を確認したことはない」としている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090201-00000003-yom-soci