2009年02月01日(日) 02時30分
<学力テスト>大阪知事のデータ開示、府内の校長9割が批判(毎日新聞)
橋下徹・大阪府知事の就任1年(2月6日)を前に、毎日新聞は、府内の市町村立小・中学校の校長全員(1480人)を対象に、知事の教育行政について尋ねるアンケートを実施した。562人が回答した。橋下知事による、全国学力テストの市町村別平均正答率の開示については9割以上が批判。市町村教委が自主的に平均正答率を公表することにも4分の3が反対した。データの公表に対する教育現場の抵抗感の強さが浮かび上がった。
◇大阪府内の校長に本社調査
小学校の校長1016人、中学校の校長464人にアンケート用紙を郵送し、無記名で回答を求めた。小学校長347人、中学校長215人が回答した。
アンケートでは、橋下知事の開示のあり方について択一式の質問で評価を尋ねた。結果は、62%が「市町村別平均正答率は一切開示すべきでない」と回答。「設問別だけ公表する市町村の平均正答率は開示すべきでない」との回答も30%あり、批判的な評価は合わせて92%に上った。
また、市町村教委が自主的な判断で平均正答率を公表することへの賛否についても、74%が「反対」と答え、「賛成」は23%だった。反対理由では「市町村により地域事情が異なり、公表に意味がない」が最も多かった。
◇校長アンケと逆、府民は賛成76%…先月の本社調査
毎日新聞が大阪府民を対象に1月17、18日に実施した世論調査では、橋下知事が全国学力テストの市町村別平均正答率を開示したことに76%が「賛成」と答えた。「反対」は15%。校長アンケートの結果とは逆の傾向を示した。行政全般にわたり情報公開の流れが進むなか、学力に関するデータも公開が妥当とみる意見が多数派のようだ。賛成を年代別でみると30代が84%と最も高く、70代以上が65%と最低だった。
◇全国学力テストのデータ公表問題
文部科学省は都道府県教委に対し、市町村名を明らかにして市町村別データを公表しないよう実施要領で求めている。これに対し、橋下知事は昨年10月、「実施要領は知事を拘束できない」と主張し、府教委から受け取ったデータを部分開示。12月には、秋田県の寺田典城知事が全市町村の平均正答率を全国で初めて公表した。来年度以降分についても、鳥取県が市町村別・学校別データを開示することを決めている。こうした動きに対し、文科省は「市町村別データはいらない」と申し出る都道府県教委にデータを渡さないことを検討したが、橋下知事らの批判を受け、来年度の実施要領にこの措置は盛り込まなかった。
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記者の目:鳥取の学テ学校別開示、議論を=宇多川はるか
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090201-00000004-mai-soci