パナソニックの2009年3月期連結決算の純損益の赤字が3000億円を超える見通しであることが1日、分かった。日立製作所、東芝などに続きパナソニックも巨額な赤字に陥ることで、電機各社の業績は総崩れとなり、デジタル家電など海外市場に支えられてきた成長戦略の見直しは必至だ。
パナソニックは4日の08年4—12月期連結決算発表に合わせ業績予想を下方修正する。国内外での生産拠点の統廃合を前倒しし、構造改革費用を大幅に積み増すほか、株価低迷を受け保有株式の評価損を計上するのが主因。純損益が赤字に転落するのは6年ぶりで、赤字幅は02年3月期に計上した約4300億円に次ぐ規模となる。
電機各社は米国の金融危機に端を発した世界的な景気悪化の影響で、09年3月期連結決算の純損益見通しを相次いで大幅下方修正。日立製作所が過去最悪の7000億円の赤字となるのをはじめ、東芝が2800億円の赤字、ソニーも1500億円の赤字を予想するなど各社の業績悪化は深刻な状況に陥っている。
パナソニックは主力のデジタル家電を中心に価格下落と販売低迷で業績が急速に悪化していることから、電子部品などを製造するマレーシアの二工場と、フィリピンの現地向け乾電池工場の閉鎖を決定。さらに生産拠点の再編を進めることで収益構造の改善を急ぐ。
同社は09年3月期の業績見通しについて、当初、純損益が過去最高となる3100億円の黒字を予想していたが、昨年11月に300億円に大幅に下方修正。今回さらに厳しい見直しを迫られることになる。
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