2009年02月01日(日) 23時54分
橋下知事、職員の評判は若手とベテラン世代で真っ二つ(産経新聞)
大阪府の橋下徹知事は6日に就任から2年目を迎える。従来の行政慣習にとらわれず、府民目線とスピード感を前面に押し出すトップダウンの手法に、ベテランの幹部職員らが違和感を抱くのに対し、若手からは「本当に府庁は変わるのでは」と期待感も出始めている。しかし、府庁舎の移転や民間人登用など知事が打ち出した大胆な政策の実現はこれから。府職員約1万人のかじを取りながら、山積する難題解決への道筋をつけられるかが2年目の課題となりそうだ。
橋下知事は1月27日の定例会見で、「今までの行政組織を否定するつもりはないが、府民感覚から乖離(かいり)していたと思う」と強調。「僕の価値観の方が府民に近いはず。合わせてほしい」と職員にさらなる意識改革を求めた。
50代の幹部職員は、橋下知事が「大阪空港の廃止を検討」などと述べた発言を例にあげ、「知事の発言はインパクトがあり、演出効果もある。ただ、知事がぶち上げた通りにならないことも多く、それを繰り返すと、“オオカミ少年”になってしまう」と指摘。別の50代職員は「知事の仕事ぶりは本当にすごい。ただ、行政には継続性も大事で、知事の手法や発言からはそのあたりが見えてこない」と危惧(きぐ)する。
これに対し、ある20代の若手職員は「知事の発信力で、府がどんなことをしているかが、府民に伝わるようになった」と素直に喜び、大きな期待を寄せている。知事が求める意識改革についても、この職員は「40代、50代の意識を変えるのは無理。20代、30代の職員が知事と同じ気持ちになれば、その世代が組織の中心になるころには、府庁は大きく変わっているずだ」と肯定的にとらえている。
橋下知事は今年1月の仕事はじめのあいさつで、「大阪から時代を動かす。みなさんならできると信じている」と職員に大きな期待をかけた。
一方で、2年目の抱負として組織強化を掲げ、知事直轄で府政のかじ取りを担う「戦略本部」への民間人登用や大胆な組織再編などを計画し、てこ入れを図る構えは崩していない。
こうしたトップダウンの手法に対する不満が高まれば、組織運営で知事が難局にぶつかる可能性もはらんでいる。
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