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2009年02月01日(日) 20時53分

主要企業、37%減益 相次ぐ下方修正、底見えず中国新聞

 東京証券取引所第一部に上場する主要企業の二〇〇九年三月期の経常利益の総額が前期比で37・3%減少する見通しであることが一日、民間シンクタンク新光総合研究所の集計で明らかになった。金融危機の影響で、〇八年九月中間決算発表時点の24・5%減の予想から大幅に悪化。金額にして前期比で十二兆円以上も吹き飛ぶ計算だ。

 トヨタ自動車やソニーなど主力の輸出関連企業は、円高もあって軒並み赤字を予想するなど総崩れの様相。景気悪化の底が見えず、今後も大幅な下方修正が相次ぐとみられ、最終的な減益幅は一段と拡大しそうだ。

 〇八年三月期の過去最高益から一転し、七年ぶりの減益となる。現時点で情報技術(IT)バブル崩壊の影響を受けた〇二年三月期の37・4%減にほぼ並んだ。売上高は1・0%減となる見通し。

 一月二十九日までに〇八年四—十二月期の決算発表を終えた百七十八社に限ると、業績を下方修正したのは過半数の九十四社に達した。直近の十—十二月期の経常利益の総額は64・1%減。〇九年一—三月期は全体で経常赤字に転落する見通しで、企業業績は加速度的に悪化している。

 自動車や電機など外需依存度の高い業種ほど状況は深刻だ。北米や欧州に加え、新興国でも販売が急減速している上、デジタル家電や半導体などは価格の下落も顕著だ。

 新光総研の稲垣智博いながき・ともひろクオンツアナリストは「中間決算を終えた段階では、下期には業績が回復すると期待していた企業も多かったが、景気は予想以上に厳しさを増してきた」と分析した。

 集計対象は、三月期決算の東証一部上場企業のうち金融などを除いた千百二十七社。一月二十九日時点での最新の会社公表予想を集計した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902010262.html