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2009年02月01日(日) 19時56分

腎移植後に肥満、男性の1割…体調回復し、食欲抑えられず読売新聞

 腎臓移植を受けた男性患者のうち1割が、移植手術後に肥満体になったことが、新潟大などの研究チームの調査でわかった。

 適正な体重を維持しないと、腎機能が悪化して再移植が必要になる場合もあり、研究チームは健康管理の重要性を訴えている。日本臨床腎移植学会で報告した。

 西慎一・新潟大准教授らは2007年7月〜08年6月に、全国60施設で行われた111例の腎移植の患者を調べた。

 メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)の腹回り基準(85センチ以上)を超す肥満体の人は、移植前は9%だったが、移植の1年後には20%と倍増した。

 国立病院機構千葉東病院の調査でも、04年以降の腎移植161例のうち、移植前にメタボ基準の一つである高脂血症だった患者は25%いたが、移植後は44%まで増加していた。

 患者は移植前、人工透析を受け、水分補給も制限される。西准教授は「体調や味覚が回復し、食欲を抑えられず肥満化する人が少なくない。移植後に使う薬が肥満に影響している可能性もあり、健康管理に注意が必要だ」と話している。

 腎臓病患者は動脈硬化など合併症を抱えている場合が多く、移植後でも肥満が進むと心臓病で死亡する場合や、再移植が必要になることもある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090201-00000038-yom-sci