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2009年02月01日(日) 19時22分

<温室ガス削減>強い政治力必要…麻生首相にデンマーク首相毎日新聞

 【ダボス(スイス)川上克己】麻生太郎首相は31日、ダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に合わせ、デンマークのラスムセン首相と約30分間、会談した。ラスムセン首相は2020年ごろまでの温室効果ガスの排出量削減に関する「中期目標」について「欧州連合(EU)はグローバルな合意がなされれば、30%削減の用意がある」と指摘。中期目標の決定にもたつく日本に先手を打ち、気候変動問題をめぐる国際社会の激しい主導権争いをうかがわせた。

 麻生首相は会談前に行った演説内容をなぞり、「(日本は)科学的な分析に基づき、6月までに中期目標を発表する」と述べただけだった。

 ラスムセン首相は、07年の独ハイリゲンダム・サミットで示された、「50年までのガス排出量の50%削減」との長期目標にも触れ、「達成には強い政治力が必要だ」と強調した。「求心力が低下する麻生首相にクギをさした」(同行筋)との観測が出ている。

 デンマークは、12月に開かれる国連の「気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)」の議長国。COP15では、13年以降の排出量の削減目標で国際合意をまとめることになっている。

 削減目標をどう設定するかは、各国の経済動向に大きく影響する。環境問題に積極的なオバマ米政権の誕生を受け、EUは今後の交渉で先手を打とうと先行して中期目標を設定。日本は、最大の排出国である米中両国などと「共同戦線」を張る戦略を描く。それぞれが主導権を巡ってしのぎを削っている。

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