若麒麟の引退届提出を決断した師匠の尾車親方(元大関琴風)は、ハンカチで涙をぬぐいながら心境を吐露した。
—決断の理由は。
「本人から申し出があり、出させてもらった。師匠として同じ考えだ。協会にこれ以上籍を置いておくと土俵が汚れると思った。残念だ」
—自身への処分は。
「わたしのことに関しては、理事会にすべてを任せる」
—本人に言うことは。
「一言でいうなら、ばか野郎だ。情けない。こんな形で彼の引退届を出すとは夢にも思ってなかった。ただ、よく決断したとも思う。まだここで何か言うようでは、この男もおしまいだから」
—昨年の検査から疑いがもたれていたが。
「おまえのことはそういう目で見ている人もいるから、規則正しく生活しろと言っていた。あれだけ話し合ったのに、こんなことになって本当に申し訳ない」
—弁護士を通じて本人からの伝言は。
「せっかく親方に預かってもらったのに、迷惑をかけた。こんなに騒がせたのは、自分がばかなんです、と言っていた」
—退職金の請求は。
「わたしのお金じゃないので、それはまた本人と話し合って決めたい」