記事登録
2009年02月01日(日) 00時01分

アジア支援に1兆5000億円 麻生首相、ダボス会議で表明中国新聞

 【ダボス(スイス東部)31日共同】麻生太郎首相は三十一日昼(日本時間同日夜)、世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」で特別講演した。世界的な金融危機で失速を余儀なくされているアジアの成長強化に向け一兆五千億円以上の支援方針を表明。地球温暖化対策では二〇二〇年ごろまでの日本の温室効果ガス削減の中期目標を「六月までに公表する」と言明し、途上国の温暖化対策支援も打ち出した。

 首相は「世界第二位の日本経済が活力を取り戻すことが、何よりも日本の責務」と述べ、事業規模七十五兆円の景気対策により早期の不況脱出を目指す決意を強調した。

 温室ガス削減の中期目標については「裏打ちのない宣言ではなく、経済面でも実行可能で地球全体の温暖化対策に貢献するものにしたい」と説明した。

 金融危機対応では金融市場の監督体制導入や、格付け会社への規制など「市場のルール再構築」の重要性を指摘。貿易、投資の保護主義拡大阻止や内需拡大に取り組むべきだと訴えた。

 首相はテロ対策や新たな国際貢献に取り組む姿勢を示した上で、ソマリア沖の海賊対策に「自衛艦を派遣する」と明言。アフガニスタン復興やパレスチナ和平実現のため、民生支援で積極的な役割を果たす考えを示した。

 首相は冒頭、自らの「自由と繁栄の弧」構想に触れ「市場経済、民主主義を志向する諸国の努力を支援し、繁栄の道を共に歩みたい」と強調した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902010099.html