2009年02月01日(日) 18時13分
<ジャンプW杯>個人第19戦は強風で中止 札幌・大倉山(毎日新聞)
ノルディックスキー・ジャンプのワールドカップ(W杯)は1日、札幌市の大倉山ジャンプ競技場(HS134メートル、K点120メートル)で個人第19戦を行う予定だったが、強風のため中止となった。札幌大会の中止は初めて。朝から強い風が吹き、雪も降る中、午前11時開始の1回目を遅らせて天候回復を待ったが、午後1時半過ぎに中止が決まった。
前日、自己最高の5位に入った渡瀬雄太(雪印)は「風が強すぎた。仕方がない」。ベテランの岡部孝信(雪印)も「練習ならとっくに切り上げてる。天気が悪い中で飛んで気分を悪くするより、いい条件でやったほうがいい」と話した。
世界選手権(18日〜3月1日、チェコ)代表の岡部や葛西紀明(土屋ホーム)ら4人と代表候補の渡瀬、栃本翔平(雪印)の計6人は5日に日本を出発。ドイツでのW杯に参戦後、フィンランドで合宿を行い、世界選手権に備える。
◇なお一層、若手は奮起を
今年のW杯札幌大会は26歳の渡瀬雄太(雪印)が自己最高の5位に食い込み、23歳の伊東大貴(サッポロスキッド)も8位と、若手選手が地元の意地を見せた。世界選手権に向けて、今後も若手が調子を上げていけるか。日本ジャンプ陣の今後を占ううえでも注目される。
期待がかかるのは渡瀬だ。31日の試合は、W杯で上位を占める外国勢も飛距離が出ない難しいゲート設定だったが、渡瀬は1回目にK点越えジャンプを決めた。「内容も良かったし、自信になった。迷いが吹っ切れた」と話す。
モチベーションも高い。8日、11日のドイツでのW杯で、残り1枠となった世界選手権代表の座をかけて、後輩の栃本翔平(雪印)と争うことになる。栃本は高校生だった07年の世界選手権札幌大会で団体3位の実績を持つが、渡瀬は代表入りの経験はない。渡瀬は「(雪印の)同僚だが負けられない。状態は良いのでこれを続けたい」と意気込む。
伊東も復調しつつある。今季は助走路の姿勢に悩んでおり、今も「まだこれというものはつかんでいない」と話すものの、今季自身初のひとけた順位となる8位に入ったことで「以前より楽になれた」と表情は明るい。若手の中のエース格だけに、チームに勢いをつける豪快な飛躍を取り戻したいところだ。
日本の菅野範弘チーフコーチは「渡瀬も伊東も収穫があった」と目を細めた。世界選手権の目標は4人で戦う団体でのメダル。上位をうかがうためにも、なお一層の若手の奮起が求められる。【立松敏幸】
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