外国人研修・技能実習制度を利用した研修生について、世界的に景気が悪化した昨年秋以降、国内企業の新規受け入れが急減していることが一日、受け入れ支援のため法務、厚生労働など五省が設立した財団法人「国際研修協力機構」(JITCO)の調査で分かった。
JITCOは「不況で各企業が受け入れを控える傾向にある」とみており、既に日本で働いている研修生らからも「途中帰国させられそうだ」などの相談が昨年末から増加しているという。
外国人研修生の多くは低賃金だが、関係者は「安い労働力」を受け入れられないほど中小企業を中心に経営が悪化しているとみている。
JITCOの統計(速報値)によると、国内企業が法務省入国管理局に申請した新規の研修生数は昨年十月が前年同月比19%減の四千七百五十三人。十一月は同26%減の四千六百九十二人で、「これほどの下がり幅は聞いたことがない」(担当者)。
申請後に取りやめた件数は含まれないため、実際はさらに減少した可能性が高い。
送り出し国別では、昨年十一月は最も多い中国からが28%減、インドネシアが26%減、フィリピンが41%減だった。
研修目的の外国人入国者は一九九三年の制度創設以降増加し、〇七年には十万人を突破。研修に従事している人は少なく、賃金未払いやパスポート取り上げなどが問題視されている。