生まれつき四肢に障害がある北海道・釧路市動物園のアムールトラ二頭が、順調な成長ぶりを見せている。二頭とも当初は絶望的だとみられた四本足での歩行もできるように。動物園は現在バリアフリー対応の新獣舎建設を進めており、完成後の四月上旬からは通常の一般公開を行う予定だ。
二頭は昨年五月に生まれた雄のタイガと雌のココア。母親が育児放棄したため飼育員が保育してきた。検査で脚の発育に異常がある軟骨形成不全症と診断されたが、現在は体重約三〇キロとなり、筋力も向上。不自由ながらも、駆けたり、後ろ脚で時折立ち上がったりと活発な姿を見せている。
今後は成長につれて大きくなる体を、脚で支え続けられるかという課題があるという。
動物園は、感染症のリスクを考慮し当初二頭を非公開としていたが、全国からの励ましのメッセージを受け、昨年七月から一時間程度の臨時公開を十一回実施。多い時で約二千五百人が訪れる人気者になり、支援の募金も五百万円を突破した。
【写真説明】四肢に障害があるアムールトラ「タイガ」(右)と「ココア」。奥は臨時公開で見守る入園者=1月16日、北海道・釧路市動物園