不況と紙需要の低迷から岩国市の日本製紙岩国工場が、1日から2月中の操業をほぼ停止するのに伴い、市内の下請け業者は、休業や従業員の出勤制限などの対応を余儀なくされている。従業員の5割強を約1カ月間交代制で休ませる計画の業者もある。
製造工程の一部を請け負う会社の担当者は「岩国工場と同じ日程で従業員に出勤制限を設ける」。従業員約100人の5割強を2月の1カ月間、交代で休ませ、残りは工場内の設備のメンテナンスや見回りにあたらせる。中小企業緊急雇用安定助成金を受けるための実施計画をハローワークに提出したという。
岩国工場と日本製紙関連会社の仕事が約8割を占める社員数15人の運送会社も、同じ日程で休業の計画届けを提出、助成金の申請手続きを進める。
岩国工場の仕事が全体の約9割を占める紙加工会社の社長は「40年間仕事を続けているが、こんな事態は初めて。全員の給料を下げて辛抱するしかない」と肩を落とす。