【バンコク1日共同】タイの首都バンコク中心部の王宮前広場で一月三十一日、三万人規模の反政府集会を開いたタクシン元首相派の市民団体が二月一日未明、首相府を一時包囲した。厳戒態勢で警備していた警察や軍との衝突はなかったが、元首相をめぐる対立の深刻さがあらためて示された。
首相府の正門前で、市民団体のリーダーの一人が、バンコク国際空港などを昨年占拠した反元首相派市民団体と関係の深いガシット外相の解任を十五日以内に行うことなどを求める要求書を読み上げ、要求が満たされなければ抗議行動を激化させると警告した。
集会参加者は三十一日深夜、元首相派市民団体幹部らが乗ったトラックや百台以上のバイクの先導で約二キロ離れた首相府へ向けデモ行進を開始。警察は経路の数カ所にバリケードを築いて首相府包囲の阻止を試みたが、催涙弾などを使った実力行使は避けた。