誰でも簡単にコンピューターのネットワークを利用できる「ユビキタス社会」の実現に向け研究してきた広島市立広島工業高(南区)の3年生13人が31日、同校体育館で3年間の成果を発表した。ICタグを活用しマラソンのタイム測定を容易にしたシステムや二酸化炭素(CO2)濃度の表示装置の開発など5つの報告を、生徒や保護者、中学生たち計約800人が熱心に聞き入った。
タイム計測システムに携わった生徒たちは、昨年2月の校内マラソン大会で選手に取り付けたICタグをゴールと同時にアンテナで読み取り、タイムの記録に成功した実験結果を、スライドを使いながら報告。「タグの取り付け位置を腰にすることで、より正確に読み取るようになった」など、測定率向上の工夫点を紹介した。
同校は2006年5月、将来の国内産業を支える専門家を育てる文部科学省の「目指せスペシャリスト」事業の対象校に指定。当時1年だった情報電子科の13人がプロジェクトに参加し、広島県内外の大学や企業と協力しながら取り組んできた。
【写真説明】スライドを使って研究の成果を発表する生徒