自民党の細田博之幹事長(64)は30日の記者会見で、景気対策に関し「雇用されている皆さんが消費をいたずらに削減(節約)するのは、むしろ罪なことだ。そういうことは避けなければいけない」と述べた。
積極的な消費を促す趣旨の発言だが、景気情勢が悪化し、国民の将来不安が増している状況で、節約行為を否定したとも受け取られる発言は今後、論議を呼びそうだ。
細田氏は「実際にはお金をたくさん持っている人がいるが、『これから不況になる』ということで、使わなくなっている」と指摘。さらに「消費拡大を図らないといけない。そういう意味で、定額給付金と1兆円減税がある」とも述べた。
政治ジャーナリストの山村明義氏は「発言は計算ずくか、それとも天然か。東大法学部—通産官僚とエリート街道を歩んできた細田氏だが、本性は見えにくい」と話す。
29日の衆院代表質問では、批判が多い官僚OBが天下りを繰り返す「渡り」の扱いを麻生首相に迫り、「全面禁止」の答弁を引き出した。一方で定額給付金の所得制限問題では「国会議員も受け取るべき」とそれまでの政府の姿勢と真逆の発言をして周囲を困惑させ、受給に否定的な閣僚を「格好つけているだけ」とかみつくなど、発言が暴走気味になることもしばしばだ。
「パンチ力がある麻生さんの失言の陰に隠れ、細田氏の発言は見過ごされてきた面がある」と山村氏。今回の「節約は罪」発言の行方はいかに。
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