全日空(ANA)グループのプロペラ機運航会社「エアーニッポンネットワーク」の機長(31)が、電子機器の使用が禁じられている離着陸時に操縦席から機外の風景をデジタルカメラで撮影していたことが30日、分かった。国土交通省ではこの日、航空法違反(安全阻害行為)に当たるとして同社を厳重注意。同社は機長を乗務停止にし、懲戒処分を検討している。
問題の機長は昨年12月6日、高知発大阪行きと大阪発大館能代行きの便に乗務中、離陸や着陸の直前に高知空港の滑走路や大阪空港の全景などを撮影。撮影時、操縦は副操縦士が担当し機長は無線のやりとりを受け持っていたという。
ANAでは、これまでに操縦席から写された写真13枚を確認。うち8枚は離着陸時に撮影されたもので、残る5枚は計器類の写真や上空から撮った雲の写真などだったという。機長はインターネット会員サイト「フェイスブック」に実名で登録、撮影した写真を自ら投稿していた。会社に外部から指摘があり今回の件が発覚したという。
ANAによると、機長は米国籍で、2006年2月にエアーニッポンネットワークに入社。社内調査に対し、自らの行為を認めており違反だということも認識していた。写真を投稿したことについては「友人の機長らに見せディスカッションしたかった」などと話しているという。
操縦計器に悪影響を与える恐れがあるため、国交省は離着陸時に機内でパソコンや携帯電話、デジカメなど電子機器類を使用しないよう規定。航空各社は乗客にアナウンスし、電源を切るよう求めている。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090131-OHT1T00082.htm