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2009年01月31日(土) 12時00分

補助金不正受給:青森職業訓練協、訓練日数を偽装 6年間で1656万円 /青森毎日新聞

 ◇証拠書類も廃棄
 他県で次々と発覚している職業訓練法人の補助金不正受給問題が30日、県内でも明るみになった。青森市新城の職業訓練法人「青森職業訓練協会」(坂本重一会長)が、03年度からの6年間で約1656万円を不正受給していた。県は来週にも、補助金の交付決定取り消しと返還命令を出す。07年5月から会長を務めている坂本会長は「就任時に不正受給を知った。運営していくためにはこういう方法しかなかったのだろう。申し訳ない」と謝罪した。【後藤豪、矢澤秀範】
 県労政・能力開発課によると、県は昨年8月末、山形県などで不正受給が公表されたのを受けて実態調査に乗り出した。その結果、週1回の訓練日を2回と偽り、総訓練時間数が補助金の受給要件を満たしているかのように書類を偽装していた。また06、07年度の2カ年で会費を約465万円、講師謝礼金を約905万円水増ししていた。
 補助金の申請書類や訓練日誌などは改ざんされ、補助事業に関する証拠書類も破棄されていた。坂本会長は「研修生が減少し、厳しい状況だった。学校をなくすわけにはいかないが打開策もなく、ますます補助金頼みになった」と釈明した。
 補助金を支給した機関に対する県の調査はこれまで、補助金申請段階と額確定段階で書類審査をするだけだった。同課の岡英範課長は「税金がこういう形で使われるのはあってはならない。我々のチェック体制の甘さもあった。抜き打ち検査で検査の実効性を高めるなどしたい」と話した。
 県は補助金を受給している他の17施設についても調査中で、結果は公表する方針。

1月31日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090131-00000008-mailo-l02