McAfeeの最新調査によると、サイバー犯罪によるデータの窃盗や侵害により企業は2008年、1兆ドル相当を全世界で負担した可能性があり、その負担は、知的財産の損失や損害回復に向けた支出で発生したという。
McAfeeは、米国、英国、ドイツ、日本、中国、インド、ブラジル、ドバイ首長国の800名以上からなる最高情報責任者(CIO)らの調査回答に基づいてこの数値を見積もった。
McAfeeによると、回答者らの見積もりでは、総額46億ドル相当のデータが失われ、データ侵害後の処理に約6億ドルが費やされているという。
「Unsecured Economies: Protecting Vital Information」(無防備な経済:重要な情報を保護する)と題されたこの報告書は現地時間1月29日、スイスのダボスで開催のWorld Economic Forum年次総会で発表された。同報告書は、新興国の企業が知的財産の保護に欧米諸国の企業よりも多くの金額を投じているとも指摘している。
現在も続く景気後退は、企業のセキュリティリスクを増大させるだけであると回答者らは述べ、そのうち42%は、解雇された従業員がネットワーク上の機密情報に対する最大の脅威だったと回答している。
他にはいくつかの興味深い地理的条件に関係した回答結果があった。回答者の4分の1以上が、中国でデータを保存することを避けると述べた。また中国人回答者の47%は、彼らのデータに対し、米国がセキュリティにおける最大の脅威だと考えていると述べた。(CNET Japan)
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