トヨタ自動車は30日、業績悪化に歯止めがかからない状況を受け、役員報酬の一律カットに近く踏み切る方針を固めた。減額幅は現在検討しているが、2—3割に上る可能性がある。来週にも公表する。2009年3月期の役員賞与はすでにゼロにすると発表していたが、経営責任をさらに明確にする必要があると判断した。
トヨタが業績悪化を理由に役員報酬をカットするのは初とみられる。グループで自動車部品メーカー最大手のデンソーも今月から役員報酬のカットを始めた。減額幅は明らかにしていない。
トヨタは昨年11月、12月に09年3月期の連結業績予想を連続して下方修正。近く異例となる3回目の下方修正をし、純損益が初の赤字に転落する公算が大きくなっている。
今春闘でトヨタ自動車労働組合は組合員平均で4000円の大幅なベースアップを求める方針を決めているが、経営側が役員報酬の削減を決めたことで、交渉はさらに厳しさを増しそうだ。
トヨタは08年3月期に取締役29人に対し役員報酬と賞与を合わせて約35億4000万円を支給した。平均では年間1人当たり約1億2000万円だった。
役員報酬の減額はデンソーをはじめトヨタグループ数社がすでに実施しており、今後もさらに広がりそうだ。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090130-OHT1T00311.htm