NECと日立製作所は30日、2009年3月期連結決算の業績予想を修正し、NECは半導体不況や円高などで純損益が2900億円の赤字に転落するのに伴い、10年3月末までにグループ全体で2万人以上の人員削減を実施すると発表した。正社員と非正規社員別では、それぞれ1万人以上。日立は純損益が7000億円の赤字に陥る。赤字額は1910年の創業以来最悪で、新光総合研究所によると国内事業会社では過去2番目の規模。
東芝やソニーなども多額の赤字となる一方、人員削減にも踏み切る見通しで、自動車と並ぶ日本の基幹産業の電機大手は“壊滅状態”。経営の抜本改革へ合併を含む業界再編が加速しそうだ。
NECはデジタル家電や自動車向け半導体事業の悪化で、純損益が従来予想の150億円の黒字から多額の赤字に陥った。赤字転落は06年3月期以来3年ぶり。
人員削減策の国内外別では、国内は8000人以上、海外は1万2000人以上。今回の不況下で電機大手による削減規模としては最大となる見通し。削減には、グループ内の電子部品大手NECトーキン(仙台市)が先に発表した国内外で計約9450人に上る正社員のカットも含まれる。
日立の純損失計上は3年連続。これまで最悪だった情報技術(IT)バブル崩壊後の02年3月期の4838億円を上回る。新光総研によると、国内事業会社の最大の赤字は同期にNTTが計上した8121億円。
富士通も30日、09年3月期連結純損益が200億円の赤字となり、03年3月期以来、6年ぶりに純損失を計上する見通しとなったと発表した。
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