1987年に朝日新聞阪神支局(兵庫県西宮市)が襲撃され、記者2人が死傷した事件をめぐり、29日発売の「週刊新潮」2月5日号が、実行犯を名乗る男性(65)の手記を掲載した。これに対し朝日新聞は、29日付夕刊に「事実と異なる」とする記事を載せた。
週刊新潮の記事は6ページで、男性は実名を明かし、公的組織に属する人物から「朝日を狙ってくれ」と依頼されたことや犯行の状況などを説明。87—88年に起きた朝日新聞東京本社と名古屋本社の寮への銃撃、静岡支局爆破未遂についても「実行した」としている。
朝日新聞の記事は、この男性に同紙記者が取材したことがあるとした上で、男性の説明が「事件の客観的事実と明らかに異なる点が多数ある」とし、週刊新潮編集部の取材にも同様の回答をしたとしている。
一連の襲撃事件は、いずれも既に時効が成立している。
週刊新潮によると、男性は今年1月、網走刑務所を出所。2004年にオレオレ詐欺に使われると知りながら、売買目的で銀行口座を開設した詐欺容疑で逮捕され、服役していた。事件の真相を明かそうと思ったのは、襲撃時の“見張り役”の自殺が大きかったという。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090130-OHT1T00055.htm