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2009年01月30日(金) 00時20分

米フォード、赤字過去最大…08年1・3兆円スポーツ報知

 経営再建中の米自動車大手フォード・モーターが29日に発表した2008年12月期決算は、米国などでの新車販売急減で純損失が145億7100万ドル(約1兆3000億円)と、3年連続で赤字となった。赤字幅は前年の27億2300万ドルから急拡大し、06年の約126億ドルを上回り1903年の創業以来、過去最大。

 経営危機に陥った米ビッグスリー(大手3社)の厳しい実態が、あらためて浮き彫りになった。

 リストラの加速に迫られており、金融部門の1200人を削減するほか、レイオフ(一時帰休)時の賃金支払いをやめることで全米自動車労働組合(UAW)と合意したことも明らかにした。

 3社のうち、フォードだけは米政府による緊急融資を受けていないが、急激な事業環境の悪化で同社も予断を許さない状況が続きそうだ。

 ガソリン価格の高騰に加え、世界経済の悪化による販売減が深刻化。世界販売台数は前年比約18%減の約540万4000台で、売上高も約20%減の1393億ドルと落ち込んだ。

 金融危機の影響による米景気の悪化が鮮明になった08年10—12月期は、純損失が58億7500万ドルと大幅な赤字だった。

 同期に約55億ドルの資金が流出。資金不足への懸念が続くが、フォードは現時点では政府融資を必要としない姿勢をあらためて示した。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090130-OHT1T00008.htm