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2009年01月30日(金) 21時41分

NECが2万人超のリストラ、日立も7千人を削減・配転読売新聞

 NECは30日、2010年3月末までにグループで2万人分の人件費を削減する方針を発表した。

 日立製作所も同日、09年3月期連結決算の税引き後利益が過去最大の7000億円の赤字になる見通しとともに、グループで7000人を削減または配置転換する方針を表明した。世界同時不況によるデジタル家電の販売不振や半導体の需要減少などが響いた。他の電機各社もすでに大規模な人員削減策を打ち出しており、企業業績の落ち込みが雇用の悪化に直結している。

 NECの矢野薫社長は30日の記者会見で「2万人を超える人員削減を行う」と述べた。すでに、電子部品子会社「NECトーキン」の正社員9450人と、半導体子会社「NECエレクトロニクス」の派遣社員1200人の削減を発表している。

 これに加え、グループ外部の企業に委託していた製品や装置の設計などの業務を社内に振り向けることなどで外注費を削減、実質的に約8000人分の人件費を圧縮する。正社員の追加削減は原則として行わない見通しだ。NECグループの正規社員は国内外合わせて約15万人。

 日立は09年度中に、正社員は他部門へ配置転換し、非正規社員は契約満了後に更新しない。自動車機器事業の4000人、薄型テレビ・デジタルメディア事業の3000人が対象だ。ただ、配転を受け入れない正社員に対しては早期退職制度を適用する方針だ。

 富士通は岩手、福島両県にある半導体子会社工場の一部製造ライン休止に伴い正社員2000人を配転し、派遣社員150人を追加削減する。映像・音響機器メーカーのJVC・ケンウッド・ホールディングスは30日、グループ全体で680人を対象に希望退職を募ると発表した。

 日立とNEC、富士通の3社は30日、09年3月期連結決算の業績予想も下方修正し、いずれも税引き後利益が赤字に転落するとの見通しを発表。赤字幅は3期ぶり赤字のNECが2900億円、6期ぶりの富士通が200億円だった。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20090130-OYT1T00915.htm