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2009年01月30日(金) 19時17分

<振り込め詐欺>取り締まりに誘拐担当捜査班を投入 警察庁毎日新聞

 振り込め詐欺グループの取り締まりに、警視庁は誘拐捜査などを担当する「SIT」(捜査1課特殊捜査班)や機動捜査隊を積極的に投入する方針を決めた。誘拐捜査のノウハウを生かし、現金受け渡し場所に張り込むなどして容疑者検挙につなげる狙いがある。2月の振り込め詐欺撲滅月間に本格導入する。

 警視庁によると、取り締まり強化で昨年10月以降減少傾向だった振り込め詐欺の被害は今月後半から再び増加。現金自動受払機(ATM)を避け、現金を手渡しで受け取る「手渡し」詐欺が急増して今月だけで23件(20日現在)に上り、振り込め詐欺被害全体の約35%に達している。

 手渡し詐欺の捜査では、犯行グループに現金受け取り場所を何度も変更され、捜査員の張り込みが見つかるケースも多い。このため警視庁は、相手に悟られないよう変装して金銭の受け渡しを見張り、不測の事態にも対応できるSITと機捜隊の活用を決めた。

 今月29日には、東京都文京区の70代男性宅にバイク便を装って800万円を受け取りに来た10代の少年が、駆け付けた機動捜査隊員に詐欺未遂容疑で現行犯逮捕された例がある。【杉本修作、酒井祥宏】

 ◇ことば SIT

 「Special Investigation Team」(特殊捜査班)の略称。1963年に東京都台東区で起きた「吉展ちゃん誘拐事件」で、身代金を奪われ犯人を取り逃がし、吉展ちゃんを助けられなかったことを教訓に、誘拐捜査の専門班として翌年4月に設立された。企業恐喝など特殊犯罪の捜査も手がける。

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