麻生太郎首相は二十九日午後、衆院本会議で行われた代表質問で、官僚OBが再就職を繰り返す「渡り」に関し「国民からの厳しい批判や国会における議論を踏まえ、今後、申請が出てきた場合でも認める考えはない」と明言し、自らの在任中は政府によるあっせんを全面的に禁止する考えを表明した。
この問題で首相はこれまで、例外的に認めるケースもあり得るとの立場から「原則禁止」と答弁してきたが、明確に禁止を打ち出すべきだとの意見が与党内でも高まってきたのを受け、方針転換した。自民党の細田博之幹事長への答弁。
消費税率引き上げに関しては「景気をきちんと立て直すことが前提」と強調。「消費税の全収入は社会保障給付や少子化対策に充てる。官の肥大化に使うつもりはない」と、将来的な税率引き上げに理解を求めた。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は早期の衆院解散・総選挙を求めたが、首相は「国民の生活と雇用を守るため経済対策と予算をつくることに全力を注いできた。いずれしかるべき時に野党との争点を明らかにして信を問いたい」と答えた。