東芝は二十九日、主力の半導体事業の収益が大幅に悪化し、二〇〇九年三月期の連結決算の営業損益が二千八百億円の赤字に転落するとの見通しを公表した。赤字額は過去最悪で、〇二年三月期以来、七年ぶりの赤字となる。これを受けて、半導体事業を中心に期間従業員四千五百人削減や生産体制の見直しを柱とした経営改善策を発表した。
世界的な景気悪化で家電や電子機器の需要減少で、ソニーも二千六百億円の営業赤字に転落する見通しのほか、パナソニックなど電機各社も軒並み深刻な業績不振に陥った。自動車に続き有力な日本経済のけん引役も「総崩れ」となった。
東芝は営業損益のほか、売上高も従来予想の七兆七千億円から六兆七千億円、純損益を七百億円の黒字から二千八百億円の赤字に下方修正した。
改善策に盛り込まれた期間従業員の大幅削減は三月末までに完了させる計画。ただ、正社員の雇用は維持するとしている。
同時に発表した〇八年四—十二月期連結決算は売上高が前年同期比10・5%減の四兆九千八百四十一億円、一千二百六十一億円の黒字を計上していた純損益は一千五百九十五億円の赤字に転落した。